バッテリー安全・BCP選定
ポータブル電源火災(リチウムイオン)──繰り返される異常発熱の構造と、BCPで選ぶべき3要素
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火災増加の背景と公的データベースの参照
近年、停電・災害対策としてポータブル電源の導入が急増する一方、充電中の異常発熱・発火を伴う事故が各地で報告されています。 公的データは年次で変動するため、最新状況は公的DBの検索で随時確認することが重要です。
なぜ異常発熱・火災が繰り返されるのか
市場の多くは円筒形セル(例:18650/21700等)を多数直並列で構成したリチウムイオン電池を採用。 可搬・振動・衝撃を受けやすい使用環境下では、内部短絡や過充電/外部短絡を起点とする熱暴走のリスクが相対的に高まります。 SDSの非開示や設計・製造のばらつきが、事故後の原因特定を一層困難にします。
火災原因調査が事業へ与える影響
火災発生時は消防法に基づく火災調査が行われ、立入・質問等の権限のもと長期の現場保全・調査が実施される場合があります。 その間、操業・営業の制約や報告書公開など企業側の負担は小さくありません。
事例の要点(要旨)
報告例では、未接続状態でも内蔵セルが破裂、樹脂筐体の溶融・焼失が確認され、 制御基板や配線の外観損傷が限定的でも電池起因の可能性が残るなど、 原因特定に至らない(不明/可能性止まり)ケースが目立ちます。
PSE・SDS・PL法:見落としがちな論点
- PSE適用外の領域:AC出力を備える多くの「ポータブル電源本体」は、電気用品安全法の「リチウムイオン蓄電池」定義(直流出力)に該当せず規制対象外。
- SDS(安全データシート):電池化学の危険有害性・回収方法等の開示が不可欠。非開示は事故時のリスク管理・廃棄で重大な障害。
- PL法(輸入者責任):海外製の比率が高く、国内輸入者の所在が不明確だと賠償・回収が混乱。
BCPで選ぶべき「安全性・高可用性・ライフサイクル」
1) 安全性
非常時のみならず常時使用を前提に。PSE準拠はもちろん、電池のSDS公開、回収・リサイクル体制の明確化が必須。
2) 高可用性
無瞬停UPS機能と純正弦波出力で、平時・非常時を問わず安定供給。ハード信頼性×耐障害制御が鍵。
3) ライフサイクル
通電劣化・経時劣化を見据えた設計寿命と保証。国税庁の法定耐用年数も参考に、 長期保証と回収・リビルド方針が示される製品ほど総合信頼性が高いと言えます。
当社がリチウムを採用しない理由と代替電源の条件
無瞬停可搬型オフグリッド電源 HPPHBB0101 はAGMバッテリーを採用。航空・ミリタリー発の実績、低内部抵抗、振動・温度耐性、完全リサイクル性を評価しています。
- ISO 9001/14001/45001
- UL1989(File: MH14533)
- IATA/ICAO 特別規定 A67(航空輸送)
- 欧州航空安全機関規定に基づく水上輸送の非危険物分類
- 米DOT「ドライチャージ」49 CFR 171–189(陸上輸送)
また、活線挿抜(ホットスワップ)により交換・増設が可能。最大連結で長時間運転を実現し、 作業停止リスクを最小化します。