PERSONAL ENERGY / OFF GRID

MANIFESTO

すべてのエネルギー消費者が、エネルギー生産者になる世界へ。

Kei Communication Technology Inc. / Personal Energy®


Origin — 「命より優先されるインフラは、存在しない」

1995年1月17日(火曜日)5時46分52秒、
電気も、電話も、ガスも水道も、交通も、すべてが一瞬で止まりました。

日常のあたりまえが、「あたり前ではない」という事実を、
私たちはその日を境に深く刻み込みました。
本年、2025年で30年が経過します。

Personal Energy® のアーキテクチャ、「自律・分散・非同期」の思想は、
阪神淡路大震災を契機に必然として生まれた設計原理です。

2011年1月に初代機を発表した直後、
東日本大震災と世界最大級の原子力事故が襲いました。
その光景は、ひとつの問いを強く突きつけました。

「命より優先されるインフラなど、あってはならない」

“made in KOBE” は、
生き延びた私たちから、次の社会へ送るメッセージです。

問題設定 — グリッドとオフグリッド

現代のエネルギーと情報のシステムは巨大で複雑ですが、
その中心構造は驚くほど単純です。

  • 中央集権
  • 長距離送電
  • 少数プレイヤーによる集中
  • 国際政治・軍事・金融と強く結びつく依存構造

この “一極集中” は効率的に見えますが、
災害や戦争、事故が起きるたびに、その脆さは露わになります。

1. 中枢の停止は、全体の停止に直結する

自然災害、事故、地政学ショック、サイバー攻撃。
要因は違っても、暮らしと産業が同時に止まるという現実は変わりません。

2. 消費者は、生産者である自由を持たない

エネルギーも情報も「提供されるもの」であり、
地域や個人が主体的に選び、つくる権利は奪われてきました。

3. 命と経済の価値が逆転している

経済のために、地域や健康が犠牲になる構図は、
もはや正常とは言えません。

4. 地政学的不安定さへの過剰な依存

燃料、鉱物資源、設備、インフラ。
その多くが世界情勢の影響を直接受け、社会不安へとつながっています。

そして今日、脆弱なのは電力だけではありません。
「情報」という巨大グリッドもまた、止まれば社会全体を麻痺させる存在です。

現代文明は、「止まらないこと」を前提に設計されすぎています。
これからの文明で必要なのは、
止まることを前提にし、止まっても壊れない社会構造です。

Vision — すべてのエネルギー消費者が、生産者になる

私たちが向かう未来は明確です。
すべてのエネルギー消費者が、エネルギー生産者になる。

私たちにとって大きなテーマは、
現代文明の設計思想を静かに書き換える試みです。

  • エネルギーは「買うだけ」ではない
  • 家庭も企業も地域も、自前のインフラを持ちうる
  • 小さな単位のインフラが連なるとき、新しい社会基盤が生まれる

Personal Energy® は、そのための
“個別最適の次世代インフラ”です。

Core Principles — 自律・分散・非同期

Personal Energy® を支えるのは、次の三原則です。

1. 自律(Autonomous)

外部に依存せず、自己完結できること。
生存のための最小単位としての自律。

2. 分散(Distributed)

壊れても、全体ではなく部分が壊れるだけの構造。
しなやかで、反脆弱性をもつシステム。

3. 非同期(Asynchronous)

同じ規格、同じ時間、同じ運用に縛られない。
暮らしも産業も地域も、それぞれのリズムで動けること。

この三つを備えたもの、
自律・分散・非同期を実現するシステムを、
私たちは Off Grid と呼びます。

足るを知る技術 — Point of Load

私たちが導入した全国のスマートメーターや計測データから見えてきたのは、
多くの暮らしや事業は、思った以上に小さなエネルギーで成り立つという事実です。

  • まず負荷を適正化する
  • 使う場所で発電する
  • 余りを蓄え、必要なときに取り出す

これが Point of Load(負荷地点での発電) の核心です。

巨大なインフラより、
必要な場所のすぐそばでエネルギーを生むことは、
はるかに合理的で、持続的です。

Personal Energy® — エネルギーのパーソナルコンピュータ化

かつて、コンピュータは国家と大企業だけの道具でした。
パーソナルコンピュータの登場が、情報の世界を個人に開いたように、
いまエネルギーにも同じ変革が起きています。

Personal Energy® は、以下を一台に凝縮した
小さな電力会社です。

  • 発電
  • 変電
  • 蓄電
  • 配電
  • 制御
  • 自律運転

中央インフラの負荷を減らし、
社会全体の生存確率を高める。
それが Personal Energy® の役割です。

価値観 — 命 > エネルギー > 金

文明が守るべき順序は、本来こうです。

  1. その命を支えるエネルギー
  2. エネルギーや生産を支える交換手段としての金

オフグリッドは、この順序を
技術の力で取り戻す試みです。

生産者としての選択 — 静かな価値転換

オフグリッドは、反体制や抵抗ではありません。
それは 主体性を取り戻すための静かな選択 です。

  • “買うだけ”から抜け出す
  • 必要なエネルギーを自ら生み出す
  • 暮らしや事業を、自分の手で設計する

Personal Energy® は、その選択を可能にする 生産財 です。
利用者は顧客ではなく、共創するパートナーだと考えています。

Our Commitment — 止まらない社会のために

私たちは次のことを約束します。

  • 現代文明の脆弱性を補完し、強靭化する技術を磨き続ける
  • 災害・事故・戦争・地政学的ショックに左右されない
    “止まらないエネルギー” を追求し続ける
  • すべてのエネルギー消費者が生産者にもなれる
    自律分散型社会の基盤を育てる

“made in KOBE” は、
生き延びる術を、次の社会へ実装するための思想であり、
技術の原点です。

Personal Energy