BCP・通信レジリエンス
Stay Safe, Stay Connected 災害時も“つながる”ための 正しい電源と通信の備え
停電時もWi-Fi・光回線を使うために、 ONU・ルーター・PoE機器を UPSで守る方法
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災害時にスマートフォンが つながらない原因は、 端末の充電切れだけではありません。 携帯回線の輻輳、基地局の停電、 回線や設備の損傷に加え、 光回線が利用可能な状態でも、 宅内や施設内のONU・ルーターが 停電すれば通信は止まります。
本記事では、 ONU、ルーター、 Wi-Fiアクセスポイント、 PoEスイッチをUPSで保持する方法と、 停電直後の情報収集・連絡手段を 維持するための通信BCPを整理します。
停電時に守るべき通信機器
回線事業者側のネットワークが利用可能でも、 建物内の通信機器が停電すれば、 Wi-Fi、LAN、インターネット電話、 クラウド、監視、見守り、 業務連絡は使えなくなります。
スマートフォンの充電だけでなく、 通信の入口となるONUとルーター、 その先につながるWi-Fiアクセスポイントや PoEスイッチの電源を確保することが重要です。
家庭・小規模事務所
ONU、Wi-Fiルーター、 スマートフォンの充電環境を確保し、 安否確認と情報収集を続けます。
介護・医療・福祉施設
見守り、記録、受付、 ナースコール周辺設備、 職員間の連絡に必要な通信を優先します。
店舗・物流・地域拠点
ルーター、PoEスイッチ、 監視カメラ、業務端末を維持し、 被害状況の確認と業務再開の判断に備えます。
災害時にスマートフォンが つながらない理由
アクセス集中
安否確認や情報収集が一斉に始まり、 通話・データ通信が集中します。 回線が混雑すると、 発信規制や速度低下が発生します。
基地局・中継設備の停止
停電が長引き、 基地局や中継設備の予備電源が尽きると、 利用可能なエリアが縮小します。
回線・設備の物理損傷
光ファイバー、電柱、局舎、 道路、電源設備が損傷すると、 復電だけでは通信が戻りません。
スマートフォンは重要な連絡手段ですが、 災害直後には最も利用が集中する 通信手段でもあります。 携帯回線だけに依存せず、 固定回線、公衆Wi-Fi、 災害用伝言サービスを 組み合わせる必要があります。
Disaster Update / August 2026
令和8年熊本地震でも、 通信障害が初動と復旧判断を制約した
令和8年熊本地震では、 発災後5時間の段階で、 停電と通信障害が地域の行動と 復旧判断を制約していました。
通信が使えない状態では、 被害情報の収集、 職員や関係機関との連絡、 避難所の開設状況の共有、 医療・福祉施設からの支援要請が 難しくなります。
通信を維持する目的は、 インターネットを使い続けることだけではありません。 被災後の最初の数時間に状況を把握し、 24時間までの継続・移送・避難判断を 行うためです。
光回線が生きていても、 宅内停電で通信は止まる
光回線は、 回線事業者側の幹線、局舎、中継設備と、 利用者側のONU・ルーターが 一つの経路として動作して 初めて利用できます。
回線側が正常でも、 建物内のONUやルーターが停電すれば、 Wi-Fiと有線LANは停止します。
UPSが有効なのは、 回線事業者側が利用可能で、 建物内の通信機器だけが 停電している場合です。
幹線断、局舎障害、 地域設備の損傷がある場合、 宅内給電だけでは通信は復旧しません。
ONU・ルーター・Wi-Fiを UPSへ接続する
商用電源 ↓ UPS(停電時にバックアップ) ↓ ONU ↓ ルーター ↓ Wi-Fiアクセスポイント / PoEスイッチ ↓ スマートフォン / PC / 監視カメラ / 見守り端末
停電時に優先して守る通信機器
| 機器 | 役割 | 停止した場合 | UPSで守る理由 |
|---|---|---|---|
| ONU | 光信号と電気信号の変換 | 光回線が生きていても 建物内通信が停止 | 通信経路の入口として最優先 |
| ルーター | インターネット接続と LAN制御 | Wi-Fi、LAN、 クラウド利用が停止 | 端末を外部ネットワークへ 接続する中核 |
| Wi-Fi AP | 無線端末の収容 | スマートフォンや タブレットが接続不能 | 施設内の連絡と 情報共有を維持 |
| PoEスイッチ | AP、カメラ、センサーへの 通信・給電 | 複数の通信機器が同時停止 | 配下の重要機器を まとめて保持 |
Portable UPS for Communication
最初の5時間を、
無瞬断で守る。
可搬型UPS HPPHBB0101は、 停電時にONU、ルーター、Wi-Fi、 PoEスイッチなどの 重要な通信負荷を保持するための電源です。
工事を前提とせず、 必要な場所へ移動して使用できます。
- 停電時0秒切替の無瞬停型
- 家庭用コンセント出力
- AGMバッテリー採用
- 通信・医療・介護・金融分野の 重要負荷保護
※運転時間は、 接続負荷、使用条件、 バッテリー状態により変動します。
モバイルバッテリーとUPSは、 用途が異なる
モバイルバッテリーは、 主にスマートフォンやUSB機器を 充電するための電源です。
ONU、ルーター、 PoEスイッチなどのAC電源機器を、 通常時から接続したまま停電へ備える用途では、 出力形式、切替時間、連続運転、 常時接続、保守方法を確認する必要があります。
| 確認項目 | モバイルバッテリー | UPS |
|---|---|---|
| 主な用途 | USB機器の充電 | 機器を接続したまま 停電へ備える |
| 停電時の切替 | 製品ごとに異なる | 切替方式と切替時間を 仕様で確認 |
| 出力 | USB中心 | AC出力や機器別の 出力仕様 |
| 選定基準 | 充電容量と携帯性 | 負荷容量、切替、波形、 安全性、保守性 |
リチウムイオン電池を搭載する製品では、 誤使用、外部衝撃、充電方法、 製品不具合などによる 出火事例が報告されています。
通信BCP用途では、 電池種類だけでなく、 設置環境、保護回路、保守、交換、 長期常備への適合性を含めて選定します。
通信BCPで確認するUPSの条件
切替時間
ONU、ルーター、PoE機器が 再起動しない切替方式かを確認します。 「UPS機能あり」という表示だけで判断せず、 仕様上の切替時間を確認します。
出力と波形
接続機器の電圧、消費電力、 ACアダプターとの適合、 出力波形を確認します。
安全性と常時接続
平時から接続したまま使用できるか、 過充電・過放電保護、 温度条件、設置条件を確認します。
交換・保守
バッテリー寿命、交換方法、 点検周期、 障害時の対応窓口を事前に決めます。
何時間バックアップすべきか
必要時間は、 「何時間あれば安心か」ではなく、 停電後に何を判断するかから逆算します。
最初の5時間は、 回線、停電、道路、避難所、 医療・福祉施設の状況を 把握する時間です。 24時間までには、 施設内で継続するのか、 物資を入れるのか、 人を移送するのかを判断します。
最初の5時間
状況把握、職員連絡、 支援要請、避難情報の確認に 必要な通信を保持します。
24時間まで
継続運用、燃料・物資投入、 代替拠点、 移送・避難の判断を行います。
72時間
すべての機器を 同じ時間動かすのではなく、 重要負荷を絞り、 運転時間を配分します。
容量は、 接続機器の合計消費電力、 UPSの変換損失、 バッテリー劣化、 温度条件を含めて計算します。
カタログ容量だけでなく、 実際に接続する機器で 運転時間を確認してください。
通信が止まったときの行動
-
1. 回線障害と宅内停電を切り分ける
ONU、ルーター、 Wi-Fiアクセスポイントの 電源表示を確認し、 回線事業者の障害情報も確認します。
-
2. 通信負荷を絞る
動画視聴や大容量同期を避け、 安否確認、行政情報、 医療・業務連絡を優先します。
-
3. 代替手段へ切り替える
災害用伝言ダイヤル171、 web171、ラジオ、防災行政無線、 開設中の00000JAPANなどを使用します。
00000JAPANは、 緊急時の利便性を優先するため、 通信が暗号化されていない場合があります。 個人情報、クレジットカード情報、 ネットバンキングなどの 重要情報の入力は避けてください。
過去の災害で 通信を止めた主な要因
| 年月 | 災害 | 通信への影響 | 主な要因 |
|---|---|---|---|
| 2026年7月 | 令和8年熊本地震 | 初動の状況把握と 復旧判断を制約 | 停電と通信障害を含む 複合的なインフラ停止 |
| 2024年1月 | 令和6年能登半島地震 | 基地局停止、輻輳、 地域的な通信不能 | 停電、設備損傷、 道路寸断、 燃料・保守制約 |
| 2018年9月 | 北海道胆振東部地震 | 基地局停止と 通信サービスへの影響 | 広域停電 |
| 2011年3月 | 東日本大震災 | 広域通信障害と輻輳 | 停電、設備損傷、 回線混雑 |
よくある質問
停電すると光回線は 必ず使えなくなりますか?
必ず使えなくなるわけではありません。 回線事業者側の設備が利用可能で、 建物内のONUやルーターだけが 停電している場合は、 UPSで給電することで 通信を継続できる可能性があります。
停電時にWi-Fiを使うには、 何へ給電すればよいですか?
基本はONU、ルーター、 Wi-Fiアクセスポイントです。 施設内でPoEスイッチを使用している場合は、 その配下のアクセスポイント、 監視カメラ、センサーを含めて 優先順位を決めます。
モバイルバッテリーで ONUやルーターを動かせますか?
出力電圧、端子、ACアダプター、 切替方式が適合すれば、 動作する製品もあります。 ただし、停電時の自動切替、 常時接続、安全性、運転時間は 製品ごとに異なるため、 UPS用途への適合確認が必要です。
ONU・ルーターは 何時間バックアップすべきですか?
まず最初の5時間に必要な 状況把握と連絡を維持し、 24時間までの継続・移送・避難判断を 行える時間を確保します。 72時間すべてを 同一負荷で運転するのではなく、 重要機器を絞って 運転時間を配分します。
介護・医療施設では、 どの通信機器を優先しますか?
外部連絡、見守り、記録、受付、 ナースコール周辺、 医療・介護機器の監視に関係する 通信を優先します。 電源だけでなく、 給水、空調、職員参集、搬送経路と一体で 継続性を確認します。