概要:法定停電が“事故”になる瞬間
名古屋駅新幹線口直結の地下商業施設「エスカ地下街」では、法定点検に伴う全館停電が定期的に実施されています。 停電そのものは想定内でしたが、課題として顕在化したのは復電時の通信・業務停止リスクでした。
地下街という特性上、通信断は即座に「営業停止」「顧客対応不能」「安全確認の遅延」へ波及します。 本事例は、災害ではなく計画された法定停電で発生した現実的な課題に対する、実装例です。
背景:復電事故という盲点
法定点検(年1回以上の全館停電)は、設備保全の観点で必須です。 エスカ地下街でも近年、6時間規模の全館停電が実施されていました。
しかし問題が集中するのは、停電中ではなく復電の瞬間です。 突入電流やサージ、手動投入作業の揺らぎが重なり、通信機器が不安定化し、 電話・インターネットが長時間不通になる事象が発生しました。
- 突入電流による通信機器の不安定化
- 手動での電源投入作業による人為ミス
- 電話・インターネットが長時間不通
課題:止められない業務と人的負担
地下街では、停電中も業務が止まりません。 人員配置・誘導・安全確認、テナント対応、外部(警備・保守・管理会社)との連絡など、 「通信があること」を前提に回っているタスクが残ります。
一方で従来運用は、停電前後に人が張り付き、機器ごとに手動でシャットダウン/起動し、 復電後は通信復旧を待つ——という構造でした。 これは人と時間に強く依存するため、ミスと遅延がリスクになります。
対策:可搬型UPSという選択
本件のポイントは、「全体を守る」のではなく、 止めてはいけない通信・制御系だけを守るという設計に切り替えたことです。
- 可搬型UPS(約6kWクラス)
- 通信・電話・ネットワーク機器のみ給電
- 無瞬断切替により「停電・復電を意識しない運用」へ
停電前後の作業を最小化し、復電時の突入電流から機器を保護し、 人が介在しない連続運用を成立させる—— “事故にしない”ための現実解として、可搬型UPSが選ばれました。
導入後の効果:無人化・継続・防止
年1回の法定点検に合わせた人員確保・立ち会いが不要となり、運用負担が大幅に軽減されました。
停電・災害を問わず、電話・インターネット・管理系通信を約10時間以上継続可能な構成に。
サージ/突入電流/誤動作から機器を保護し、停電を「何事もなかった状態」で終えられる運用を実現。
導入資料(PDF)
本事例は、株式会社エスカ様の許可を得て、社内説明・導入検討に使用された資料をもとに構成しています。 本ページ内の画像をクリックすると、該当PDFを直接ダウンロードできます(ログ取得・フォーム入力は行っていません)。
補足:これは災害対策ではない
本事例は「災害時のための特別な備え」ではありません。 必ず発生する法定停電を、事故にしないための対策です。
法定停電は全国で日常的に実施されています。 その中で「復電事故」は珍しい例外ではなく、 “停電を何事もなく終える”ことが、次の標準になっていきます。