新社屋建設という「一度きりの判断」
タイホ防災株式会社が現在の社屋を新設したのは、事業拡大と設備更新が重なった時期でした。 重視されたのは、設備そのものよりも、社員が安心して日常業務に集中できる環境でした。
「非常用」という考え方を採らなかった理由
一般的な新社屋であれば、系統電力を主とし非常用発電機を備える構成が選ばれます。 しかし同社では「非常時は別運用」という考え方に早い段階で疑問が共有されました。
社屋全体を同じ条件で動かすという判断
平時も非常時も災害時も、社員は「いつも通り仕事をする」だけでよい。 そのために太陽光発電とLPガス発電設備を組み合わせ、系統電力に依存しない構成を通常運用として採用しました。
導入後に直面した、想定以上の環境条件
運用開始後、この社屋は想定以上に厳しい環境条件にさらされていることが分かってきます。 黄砂の影響や高い湿度、夏場には設備周囲温度が45℃前後に達する状況も発生しました。
現場が支えた「調整と改善」
問題を放置せず、現場が一体となって向き合ったことが重要でした。 ファンや部材の劣化、湿度と黄砂による影響、温度上昇による安定性低下に対し、気づきと工夫が積み重ねられました。
雷被害への対応と、追加カスタマイズ
周辺地域での落雷被害が増加する中、機密性の向上、冷却性能と消費電力の最適化、雷対策の強化が実施されました。 これは単なる設備更新ではなく、社員が安心して働ける環境を守るための調整でした。
「止まらない」を支えているのは人
現在この社屋の電源は安定して運用されています。しかし最初から完成された仕組みだったわけではありません。 社長の判断、社員一人ひとりの気づき、現場での工夫と協力が積み重なった結果です。
次回予告
次回(後編)は、社員が何も意識せず特別な操作もなく、日常業務として電源がどのように機能しているのかを整理します。 「現場を支える仕組みとしてのオフグリッド」を見ていきます。