なぜ、事前に「切り離せる」構成が必要なのか

侵入を検知した後、何を止めるかを決めていては遅い

情報システムの監査ログは、ログオンや権限操作などの事実を記録します。しかし、異常を検知できても、その時点でシステムをどう隔離するのかが決まっていなければ、調査と停止判断に時間を要します。サーバーの電源まで停止すると、稼働状態や一部の調査対象情報も失われかねません。

侵入の疑いがある通信経路を切り離しながら、調査対象のサーバーと必要な電源は維持する。 この役割分担を、平常時の設備設計に組み込むことが今回の製品構想です。

エッジ向け能動的サイバー防御=物理ネットワーク隔離

攻撃元に介入せず、自社設備の通信経路を物理隔離する

Personal Energy® Active Cyber Defenseは、侵入検知用のソフトウェアと、通信を遮断する電気回路を分けて構成します。対象はルーター、上位L3/L2スイッチ、エッジサーバーで構成される小規模な情報システムです。

国の能動的サイバー防御における攻撃元サーバー等へのアクセス・無害化とは異なり、当社システムは設置者自身が管理する通信経路のみを物理遮断します。第三者のシステムへのアクセスや攻撃元への反撃は行いません。「専守防衛」を設計思想に用いた、民間設備向けの封じ込め方式です。

※この方式は不正パケットだけを選択して遮断するものではありません。専用スイッチを経由する正常な通信も含め、指定した経路全体を物理隔離します。遮断した経路に依存する業務は停止する場合があります。

既設ネットワークへの追加構成

専用10GbEスイッチのAC100V分岐だけを止める

既設のルーター(RT)、上位L3/L2スイッチとサーバーの間に、10GbE対応のノンインテリジェントスイッチを追加します。スイッチの管理機能や内部ログを使わず、電源分岐を外部から遮断する構成です。

通信の経路

RT → L3/L2スイッチ → 10GbE対応の専用スイッチ → エッジサーバー

侵入兆候に応じて専用スイッチを停止し、この通信経路を物理的に切り離します。

分離した給電系統

可搬型UPS → PDA → 既設UPS:主要機器の給電維持

可搬型UPS → PDA → CP → AC100V専用コンセント:専用スイッチのみ遮断

実際の分岐・保護協調・接地・既設UPSの接続条件は案件ごとに確認します。

  1. Windows/Linuxの監査ログから侵入兆候を検知し、遮断前に通知を送出。
  2. 当社の監視ユニットが独立LTEで通知を受け、I/Oから引外し形CPへ指令。
  3. 専用スイッチへの給電を停止。RT・上位スイッチ・サーバーの給電は維持。
  4. CPの状態確認に基づき、監視ユニットから遮断結果をメール通知。
  5. 現地担当者がログと設備を確認し、CPを目視・手動で再投入。

※遮断後にサーバーへの別通信経路を残す設計は採用しません。監視ユニットのLTEは隔離対象と独立した通知経路です。遠隔ON機能は設けません。

専守防衛 / HUMAN OVERSIGHT

自動化するのは、遮断まで。復旧を判断するのは、人間です。

異常時の通信遮断を自動化しても、復旧判断まで自動化する必要はありません。引外し形CPは遮断状態を機械的に保持し、現地で状態を目視できます。再投入は現場でログや影響範囲を確認した担当者が手動で行います。

ログを保存するだけでなく、判断と行動につなげること。設備の状態を目で確認できること。必要な「不便」を省略せずに残すことが、今回の設計思想です。

N+1 / CYBER RESILIENCE

侵害が疑われる系統を急いで戻さず、監査済みの健全な系統で業務を継続する

本製品と組み合わせる運用として、必要な稼働系統Nに予備能力を加えたN+1を提言します。異常系を物理隔離したまま調査し、あらかじめ監査した独立系統で業務を継続できるよう、平常時に構成・認証・データ・処理能力を確認します。

DNSラウンドロビンだけでは、異常系の自動判定と切替は成立しません。必要に応じ、ヘルスチェックを備えたロードバランサーやGSLB等を別途設計します。監査済みであることも侵害の不存在を保証するものではなく、共有認証基盤や共通障害点への対策が必要です。

※N+1の予備サーバー、サービス振り分け、システム複製等は本製品の標準構成には含みません。NIST SP 800-160 Vol.2 Rev.1は、攻撃・侵害に備えたサイバーレジリエンスの一般的設計原則を示していますが、本製品の認定・適合を意味するものではありません。

MADE IN KOBE / MADE TO ORDER

神戸発の既存技術を組み合わせ、受注後に個別設計・製作

慧通信技術工業株式会社は、Personal Energy®可搬型UPSの給電・監視・I/O制御技術と、汎用10GbEスイッチ、引外し形CPを組み合わせ、エッジシステムに適した物理隔離構成を提案します。メーカーを固定したスイッチの在庫販売ではなく、対象機器・必要保持時間・遮断条件を確認したうえで受注生産します。

製品名
Personal Energy® Active Cyber Defense
用途
エッジ向け能動的サイバー防御=物理ネットワーク隔離
専用スイッチ
10GbE対応(メーカー・型番は個別選定)
遮断・復旧
CP引外しによる遮断/現地目視・手動投入のみ
販売方法
受注生産・個別見積
設計・製作
Made in KOBE(構成部品すべての国内生産を意味しません)

※既存の可搬型UPSの運用実績は、本ACD新規構成の納入実績・型式試験・性能実証を意味しません。CP引外しの動作、誤遮断防止、通信経路の独立性、保護協調、復旧手順等は個別案件の設計・受入試験で確認します。

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製品情報・技術資料

慧通信技術工業株式会社

神戸を拠点に、産業用可搬型UPS、独立電源、電力品質計測、監視・通信・制御の設計・実装・保守を行っています。

https://www.ieee802.co.jp/

改訂履歴

初版
エッジ向け能動的サイバー防御の製品情報公開。専用スイッチの物理遮断、独立LTE、UPS給電維持、現地手動復旧、受注生産、N+1提言を発表。