白内障手術装置を止めない電源設計
白内障手術装置CENTURION Vision Systemは、吸引、灌流、眼圧、センサー、制御コンピューターを連続して動作させる精密な手術システムです。完全な停電だけでなく、瞬停、瞬低、雷や復電時のサージも、装置の安全停止や再起動を引き起こす要因になります。
手術室の電源対策では、「停電したら数分動く」だけでは十分ではありません。商用電源の変動を手術装置へ伝えず、無瞬断で安定した交流電力を供給し、停電が長引いた場合にも状況を確認して対応できる時間を確保する必要があります。
医療機器を守る電源は、停止後の復旧装置ではない。
手術中に「止まるイベント」を発生させないためのインフラである。
新長田眼科病院が見直した電源リスク
新長田眼科病院では、白内障手術装置を瞬停・瞬低・サージから保護し、手術室の電源を安定させるため、既存の電源構成を見直しました。UPSは設置されているだけでは安全を保証しません。バッテリー劣化、UPS本体の故障、接続経路の見落とし、復電時の電圧変動などが、別の単一点障害になります。
- 数ミリ秒から数百ミリ秒の瞬停・瞬低
- 雷や復電時のサージ
- 既設UPSのバッテリー劣化
- UPS自体が単一点障害になる可能性
- 0msの無瞬停給電
- 安定した正弦波と低歪み
- 必要時間まで蓄電容量を拡張できること
- 導入後も状態を把握できる監視体制
HPPHBB0101を2台導入した構成
2022年6月22日、新長田眼科病院へ可搬型UPS HPPHBB0101を2台納入しました。双方向インバーターによって商用電源の変動を切り離し、停電・瞬停時にも0msで給電を維持する構成です。
手術装置の定常消費電力だけでなく、起動時の変動、周辺機器、必要保持時間、設置条件を確認し、手術室の重要負荷を継続的に支える電源として構成しました。
商用電源 ↓ HPPHBB0101 × 2台 ├─ 0ms無瞬停 ├─ 双方向インバーター ├─ 純正弦波・低歪み └─ 蓄電容量の拡張 ↓ CENTURION Vision System・関連機器
商用電源が途切れても、手術装置側へ切替時間を発生させません。
電圧・波形を安定させ、商用系統の揺らぎを重要負荷から分離します。
停電が長引いた場合にも、状況判断と初動対応に必要な時間を確保します。
5年保証と24時間365日の遠隔監視
医療機関のUPSは、導入した時点で役割を終える設備ではありません。バッテリー、インバーター、入力電源、接続負荷の状態を継続的に確認し、異常の兆候を早期に把握できる運用が必要です。
本事例で導入したHPPHBB0101には5年間の製品保証があります。2026年7月現在、2022年6月22日の納入から4年を超えて稼働し、保証期間内で運用されています。
さらに、新長田眼科病院の電源設備は、当社が24時間365日遠隔監視しています。電源状態と機器の変化を継続的に確認し、異常が顕在化してから対応するのではなく、兆候の早期把握と迅速な初動につなげる運用です。
長期使用を前提とした製品保証により、導入後の運用を支えます。適用条件は保証書・契約条件に従います。
状態変化を継続的に確認し、異常の見逃しを減らして初動対応を早めます。
医療機関のUPSの価値は、停電時に動くことだけではない。
保証と監視を通じて、毎日の手術環境を継続して守ることにある。
導入から4年を超える運用実績
電源設備の評価は、納入時の試験だけでは確定しません。日々の手術、季節による電源条件の変化、雷、瞬低、法定点検、バッテリーの経年変化を通過しながら、必要な機能を継続できることが実績になります。
2022年6月22日の導入から2026年7月まで、4年を超えて運用されています。当社が把握する範囲では、電源品質を原因とするCENTURION Vision Systemの停止は報告されていません。
| 時点 | 運用状況 | 意味 |
|---|---|---|
| 2022年6月22日 | HPPHBB0101を2台納入 | 手術室電源の無瞬停化と電源品質対策を開始 |
| 導入後 | 24時間365日の遠隔監視 | 状態変化を継続的に確認し、早期対応へつなげる |
| 2026年7月 | 4年超の運用・5年保証期間内 | 製品性能、保証、監視を一体で運用する長期実績 |
医療機器を守る電源設計の要点
本事例の中心は、UPSを2台設置したことだけではありません。手術を止めないために必要な電源品質、保持時間、監視、保証、点検を一つの運用として設計したことにあります。
- 白内障手術装置
- 手術用顕微鏡
- 内視鏡・検査装置
- 電子カルテ・画像確認端末
- 手術室内の通信・監視機器
- 機器の定常負荷と起動時負荷
- 必要な無瞬停・保持時間
- 接地、漏れ電流、EMC条件
- メーカー指定の接続・使用条件
- 設置環境、点検、保守、監視方法
導入概要・FAQ・相談窓口
| 導入先 | 新長田眼科病院 |
|---|---|
| 納入日 | 2022年6月22日 |
| 保護対象 | CENTURION Vision System・関連機器 |
| 導入製品 | 可搬型UPS HPPHBB0101 × 2台 |
| 主要機能 | 0ms無瞬停、双方向インバーター、純正弦波、蓄電容量拡張 |
| 製品保証 | 5年間 |
| 運用監視 | 当社による24時間365日の遠隔監視 |
| 運用実績 | 2026年7月現在、導入から4年超 |
なぜ白内障手術装置には電源品質対策が必要ですか?
白内障手術装置は、吸引、灌流、眼圧、センサー、制御コンピューターを連続して制御します。瞬停、瞬低、サージなどで電源が乱れると、安全側の停止や再起動につながる可能性があるため、安定した電源供給が重要です。
5年保証だけで長期運用は十分ですか?
保証は長期運用を支える重要な条件ですが、保証だけでは異常兆候を把握できません。本事例では5年保証に加え、24時間365日の遠隔監視を組み合わせ、継続的な状態確認と早期対応につなげています。保証の適用条件は個別の保証書・契約条件に従います。
24時間365日の遠隔監視では何を行いますか?
当社の監視基盤から電源・機器状態を継続的に確認し、異常や変化の兆候を早期に把握して初動対応につなげます。遠隔監視は故障を完全に防ぐ保証ではなく、異常の見逃しを減らし、対応を早めるための運用です。
小規模な眼科クリニックでも同様の構成を検討できますか?
検討できます。手術室全体ではなく、止めてはいけない手術装置、顕微鏡、関連IT機器などを特定し、負荷容量、必要保持時間、設置条件、医療機器メーカーの接続条件を確認して構成します。
Decision / Conversion / SiteSpec V6
手術装置の電源を、電源品質・保証・監視まで一つの運用として設計する
医療機器の型番、定格、起動時負荷、必要保持時間、既設UPS、非常用発電機、接地・EMC条件を確認し、 導入後の保証と24時間365日遠隔監視まで含めて構成を整理します。