なぜ「瞬停」は、現場の停止につながるのか
瞬停とは、数ミリ秒〜数秒程度の瞬時停電や瞬時電圧低下の総称です。 重要なのは「停電が長いか短いか」ではなく、制御・通信・医療・WMSが “瞬断で落ちる”ことです。
- PLC/制御装置:再起動→復旧手順→段取り替えが発生
- WMS/サーバ:DB整合・再起動・復旧確認で停止が長引く
- 医療機器:術中の瞬断は許容できない
- 監視・セキュリティ:復電後の誤動作(サージ含む)で事故になる
「瞬停は短いから大丈夫」ではなく、短いからこそ “切替が遅い”電源が事故を作る、という見立てが必要です。
UPS選定の本質は「容量」ではなく「止めない時間」
現場で止めたくないのは、多くの場合「長期停電」ではありません。 止めたくないのは、次のような“現実の停止リスク”です。
- 計画停電・法定点検(復電の瞬間が危ない)
- 保守作業(数時間の作業完了まで止めない)
- 瞬停・瞬低(ミリ秒〜秒の瞬断でシステムが落ちる)
効くのは、kWhの大きさよりも止めない時間を確保できる設計です。 例えば通信機器・PoE・小型PLCなど、150W級の負荷なら 「数時間〜10時間」レンジを現実的に確保できます(負荷条件で変動)。
0ms切替が“必要条件”になる現場がある
一般的な「ポータブル電源」は停電時に一度出力が途切れる設計が多く、 その瞬断で設備が落ちれば、電源は“あるのに止まる”状態になります。
- 0ms切替(無瞬停)で、瞬断を作らない
- 工事不要で、必要な場所にそのまま持っていける
「純正弦波THD」の話:止めないだけでなく、壊さない
瞬停対策は「切替時間」だけでは終わりません。 停止しないために電源を入れても、電源品質が悪いと次が起きます。
- 誤動作・アラーム増加
- ノイズによる通信不良
- 電源部の発熱・寿命低下
そこで重要になるのが、純正弦波とTHD(総合高調波歪)です。 「動く」だけでなく「壊さない」ために、電源品質は仕様として確認してください。
火災リスクと運用:電源が“安全のために止まる”問題
リチウム系は高密度で便利ですが、運用設計を誤ると火災・回収・保管責任が表面化します。 自治体・企業BCP用途では「調達・保管・廃棄」まで含めた実務論点が必要です。
「可搬型UPSは高い?」の答え:停止損失(VoLL)で比較する
UPSは電気代でなく、停止コストで評価したほうが意思決定が速くなります。 「止まるといくら失うか」を固定して、UPS投資の優先順位とROIを見える化します。
どんな現場が、可搬型UPSと相性が良いか
相性が良いのは「止められないが、工事が難しい」現場です。
- 物流:WMS/PLC/自動倉庫の停止回避
- 工場:ライン改修・点検でのリセット回避(火気制限がある現場)
- 金融/セキュリティ:監視・金庫室の保全
- 医療:術中・検査中の瞬断回避
- 食品:HACCP管理・受注ラインの停止回避
- 商業施設:法定点検の復電事故(サージ)対策
まとめ:瞬停対策は「0ms切替」+「電源品質」+「運用設計」
- 瞬停は短いが、停止は長い
- UPS選定は容量競争ではなく「止めない時間」
- 0ms切替は現場によって必須条件
- 純正弦波THDなど、電源品質は“壊さない”条件
- 費用対効果は停止損失(VoLL)で判断できる