電源品質
よみ:でんげんひんしつ
電圧・周波数・波形が安定している度合い。瞬停・瞬低・ノイズ・波形歪み・サージなどの外乱が少ないほど高品質とされ、工場ラインや医療機器では誤動作防止のため最重要指標となる。
電源品質で見るべき「3つの軸」
- 電圧の安定:電圧変動・ 瞬時電圧低下(瞬低)・ 瞬停
- 周波数の安定:周波数の揺らぎ(機器の同期やタイミングに影響)
- 波形の健全性: 電源ノイズ、 高調波、波形歪み(誤動作・通信断・センサー異常の温床)
なぜ今「電源品質」が重要なのか
工場・研究施設・データを扱う現場では、止まるのは設備ではなく“制御とデータ”です。 数十ms〜数秒の瞬低/瞬停でも、PLC、インバータ、産業用PC、サーバー、通信が停止し、 復旧に人手が必要になると損失は一気に拡大します(= 重大インシデント化)。
電源品質の劣化で起こる典型パターン
- 装置は無事でも、PLC/通信/計測が落ちてラインが止まる(復帰に手動操作が必要)
- インバータがトリップする/保護動作で安全停止する
- ログ欠損・時刻ズレでトレーサビリティが壊れる( 一次データが途切れる)
- 原因が見えず、設備故障と誤判定して無駄な点検が増える
まず何を「記録」すべきか(用語集としての結論)
電源品質は「平均」ではなく事象の瞬間で評価します。最短で効くのは次の2点です。
- 止まった瞬間の電源状態(瞬低/瞬停、継続時間、電圧の落ち方)
- 止まった機器とログ(PLC/インバータ/通信/計測)=一次データ
UPSログは“イベント記録”として有効ですが、波形をミリ秒精度で押さえるなら電源品質アナライザが必要になります。
どう守るか(対策の方向性)
- クリーン電源: 波形を作り直し、ノイズ/歪み/変動を抑える発想
- ホールドアップ(保持時間)設計:何ms〜何秒持てば止まらないかを先に決める
- 対策の役割分担:ノイズ対策(フィルタ/配線/接地)+瞬低/瞬停対策(UPS/補償)
関連用語
FAQ
- Q. 電源品質(Power Quality)とは?
- 電圧・周波数・波形(ノイズ/歪み)など「電気の質」がどれだけ安定しているかを示す概念です。平均ではなく“事象の瞬間”で影響が決まります。
- Q. 電源ノイズと瞬低/瞬停は同じですか?
- 別物です。瞬低/瞬停は“事象”で保持(ホールドアップ)設計が論点。電源ノイズは“品質の問題”で誤動作・通信断・再起動の背景になりやすい点が違いです。
- Q. まず何を記録すべき?
- ①止まった瞬間の電源状態(瞬低/瞬停、継続時間、落ち方)②止まった機器とログ(PLC/インバータ/通信/計測)を同時刻で照合できる一次データとして残します。
- Q. 対策は何から始めればよい?
- 止めないための要件(何ms〜何秒持てばよいか)を先に決め、ノイズ対策(配線/接地/フィルタ)と瞬低/瞬停対策(UPS/補償)を役割分担します。クリーン電源は波形を作り直して“質”そのものを整える発想です。
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