電源ノイズ
よみ:でんげんのいず
電源ノイズは、電源ラインに混入する高周波・スパイク・リップルなどの不要成分の総称です。 目に見えにくい一方で、PLC・サーボ・産業用PC・計測装置・通信機器の誤動作や通信エラー、再起動を引き起こし、工程の安定性とデータ品質に直結します。
まずは「止まる(瞬停/瞬低系)」なのか、「止まらないが不安定(ノイズ系)」なのかを分けると、対策が収束します。 関連:クリーン電源 / 一次データ / 瞬停
※電源ノイズは「原因を完璧に当てる」より、不安定さを潰して工程を安定化することが価値になります。
電源ラインに重畳する不要な信号・ゆらぎ。制御機器の誤動作や通信障害を引き起こすためクリーン電源が求められる。
よくある症状(電源ノイズを疑うサイン)
- アラームが断続的に増える/原因が特定できない
- 通信が途切れる(リンクダウン、再同期、パケット欠落)
- 産業用PCや計測器がフリーズ・再起動する
- 同じ装置でも設置場所で症状が違う(盤/配線/接地の影響)
- インバータ増設・溶接機導入・電源更新の後から不安定になった
こうした「止まらないが不安定」な症状は、電源品質(ノイズ/歪み/変動)の問題として扱うと改善が早いです。 “止まる”場合は 瞬停 / 瞬低 側の保持設計が必要なことがあります。
主な発生源(なぜ混入するのか)
パワエレ機器
インバータ、サーボアンプ、スイッチング電源などは、高周波スイッチングによりノイズが発生しやすい代表格です。
接点・配線
接点の開閉、長い配線、束線、共通配線はノイズの回り込み(共通インピーダンス)を起こしやすく、症状が出ます。
接地・シールド
接地の取り方、シールド端末処理、動力/計装の混在などが、ノイズ耐性を大きく左右します。
「電源ノイズかも?」と思ったら、まず何を確認するか
最短で切り分けるには、同時刻照合できる一次データが必要です。 「現象の発生時刻」と「設備側のログ」を同じ軸で見られると、当たりを付けられます。 詳しくは 一次データ を参照してください。
- 発生時刻(いつ・何分何秒・同時多発か)
- 影響範囲(どの盤・どのライン・どの機器だけか)
- ログ照合(PLC/インバータ/通信機器/盤内電源)
- ノイズ源候補(インバータ増設、溶接機、電源更新、配線変更)
- 周辺設計(動力/計装の分離、接地、シールド、フィルタ)
対策の考え方(“一発必中”より確実に潰す)
配線・接地・分離(最優先)
ノイズ対策の基本は「回り込みを作らない」ことです。動力と計装の分離、ケーブルルート、接地方式、シールド処理を整えると効きます。
フィルタ・トランス
EMI/RFIフィルタ、アイソレーショントランスはノイズの侵入を減らす代表手段です。ただし“設置位置”と“接地”が重要です。
UPS(波形/瞬停も含めて整理)
UPSは瞬停対策だけでなく、方式次第で波形改善にも寄与します。 クリーン電源の観点で「何を守るか」を決めると過不足が減ります。
ノイズ源の制御
ノイズ源(インバータ等)のフィルタリング、設置、配線の見直し、機器側設定で改善することもあります。
重要:ノイズと瞬停/瞬低は“別問題”になりがち
「止まる」なら保持設計(瞬停/瞬低)、「止まらないが不安定」ならノイズ(品質)というように分けると、対策が迷子になりません。
FAQ
- Q. 電源ノイズとは何ですか?
- 電源ラインに混入する高周波成分・スパイク・リップルなどの不要な揺れの総称です。誤動作、通信エラー、再起動の原因になります。
- Q. どんな症状が出たら疑うべき?
- 特定の時間帯のアラーム多発、通信の断続、場所で症状が違う、再起動/フリーズなどの“不安定さ”はノイズが背景にあることがあります。
- Q. 瞬停/瞬低との違いは?
- 瞬停/瞬低は短時間で電源状態が大きく崩れる事象です。電源ノイズは平常時にも混入し得る品質問題で、誤動作や通信エラーの背景になりやすい点が違いです。
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